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Cloth material

スーツに使われる生地


スーツに使われる生地

スーツをオーダーするにあたって生地選びは非常に重要な要素になります。
生地によって素材は様々、色も様々、価格もピンからキリまで・・・。
ここに挙げる例はごく一部ですが、生地選びのご参考にしてください。

生地の産地

英国の生地

イングランドの北西部、マンチェスターから北東、ハダースフィールドから北のリーズの地域は世界でも屈指の毛織物の産地です。この地域は古くから産業が栄え、高級紳士服地の生産を担っており、昔に比べれば衰退しているとはいえ現在でも老舗のメーカーや商社が存在しています。

ここで織られる生地は傾向として重厚で男っぽく、無愛想な表情をしています。素材もオーソドックスで柄もベーシックなものが多いです。しかし、さすがにスーツという物を知り尽くしており、仕立映えして型崩れが少ないのが美点といえます。新品の状態だとやや固く、重い感じを受けるかもしれませんが、着こむうちに体になじみ、愛着のわく一着になることでしょう。

代表的なブランド

HARRISONS OF EDINBURGH
HARRISONS OF EDINBURGH
HARRISONS OF EDINBURGH

世界中のVIPから愛用される名門マーチャント、ハリソンズ・オブ・エジンバラ。
「最上級の原毛のみが、最高級の服地を作り上げる。」の哲学の通り、どのコレクションも非常にクオリティが高く、おすすめできるブランドです。
英国製ならではのしっかりとした打ち込みにしなやかさも兼ね備えた品質と、流行に左右されないクラシックな柄は長く愛用して頂くということでは筆頭に名前を上げたくなる生地です。

EDWIN WOODHOUSE
EDWIN WOODHOUSE
EDWIN WOODHOUSE

ハダースフィールド発祥の名門ミル(メーカー)のエドウィンウッドハウス社。
近年大手生地商社グループの傘下に入りましたが、「伝統的工法を守り、クオリティを最重要視する。」という拘りは全く変わっていません。
基本的にはクラシックでありながら、伝統と革新をミックスさせながら、テイストを変えることなく時代に即したモノづくりをしています。
特に夏物の一連のエアウールのコレクションは軽さと通気性、腰の強さを高次元で実現しており、他にはない魅力に富んだ生地で当店でもファンは多いです。

SCABAL
SCABAL

ベルギーのブリュッセルに本社を置く世界でも屈指のウールマーチャント。英国の会社ではありませんが、傘下に多くのイギリスのハダースフィールドのミルを持ち、コレクションの多くは英国製です。
世界中で広く展開する規模の大きなマーチャントでそのコレクションは膨大な種類になります。メーカーではなく商社なので世界中から優れた素材を集め、拘りの物づくりで高品質な生地を作り続けています。
日本でも古くからテーラーなどでも浸透してきたブランドで、その価値は現在もますます高まっているといえます。

イタリアの生地

イタリアは北西部のビエラ地方。現在耳にする多くのイタリア製の生地がここで織られています。山と丘が多く、美しく豊かな水に恵まれた地域で、まさにこの地理的特性がビエラの繊維産業を生んだと言われています。

イタリア物は女性的で、軽く柔らかく艶やかな色柄が特徴です。着心地、肌触りがよく色っぽい服になります。ただし英国物に比べると弱く、持ちが悪い傾向がありますが、その色気はイタリア製の生地独特のもので、ここぞの勝負スーツや、とにかく柔らかくて着心地の良い服をお求めの方にお勧めします。

代表的なブランド

TARIA DI DELFINO
TARIA DI DELFINO

ビエラ地方で100年以上の歴史を持つ老舗高級服地メーカーで、高い品質と洒落た色柄のコレクションが特徴のミルです。
イタリアの生地らしく適度な光沢があり、柔らかな肌触りの生地ですが、打ち込みが良く張りがあり、比較的シワにも強いです。
国内ではそれほど昔から定着しているメーカーではありませんが、近年は非常に人気が高くなってきています。

CARLO BARBERA
CARLO BARBERA

ビエラ地方の奥地のきれいな水を使って織られるイタリアでも最高峰の品質と言われるミルです。
糸を長時間寝かせたり、織るのにゆっくり時間をかけて織るなどして非常に柔らかな風合いを持つ生地です。
独特のヌメリ感と色合いは他のメーカーの生地にはない魅力です。

CANONICO
CANONICO

1936年創業のビエラ地方の大手ミルで、オーダー向けからアパレルまでかなり手広く展開しており、高品質なわりにコストパフォーマンスに優れた生地メーカーです。
イタリアらしく華やかなの色柄も特徴的ですが、規模が大きく品質の安定感もあり、入門用としても上級者の方が選ぶ生地としても満足できるおすすめの生地です。

国産の生地

日本では尾州と言われるここ愛知県一宮市が毛織物の産地です。木曽川の清流の水で織られた生地はやはりイメージ通り品質が安定しており、地元である当店ではとくに流通コストもかからず、品質のわりに圧倒的にお手頃価格にてご注文頂けます。
色柄はオーソドックスな物が中心でビジネスなどで着用頻度の高い方にはとくにおすすめです。

代表的なブランド

葛利毛織(DOMINX)
葛利毛織(DOMINX)

一宮で創業大正元年という老舗メーカーで、いまだに戦前からのションヘル織機(低速織機)に拘り使い続ける孤高のメーカーです。非常に手間暇かけて織られた生地は、素晴らしく打ち込みがよく腰のある生地で、シワや型崩れとは無縁の生地です。
最近はションヘル織機の希少性と相まってメディアでの露出も多く、海外のハイブランドからのオーダーが入るほどその品質には定評があります。

三洋毛織
三洋毛織

愛知県一宮市、尾州にある混紡素材から高級素材まで幅広く取り扱う優れた技術力をもつメーカーで、オーダー業界でも古くから愛されてきたメーカーです。
買いやすい価格帯ながら腰があって安定感のある生地は弊店でもベーシックゾーンの生地として欠かせない生地です。